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2011年2月 5日 (土)

山崎光学写真レンズ研究所

F1000150s

山崎光学写真レンズ研究所というと、ライカ系のオールドレンズ愛好家の間では、非常に有名な工房だろう。山崎さんは伝説的な人で、ネットで検索しても多くの体験談がヒットする。

古いレンズは曇りがでている物がよく見かけられるが、これらの中には単にばらしてクリーニングしただけでは曇りがとれないものも多く、たいていはそこであきらめるわけだが、これを山崎さんに預けると、レンズを研磨し、再コートしてくれるとのこと。

しかし、わずかに研磨するとはいえ、曇ったコート部分だけ都合良く除去できるものか?それとも、やはりレンズは削られてわずかに小さくなるのか?レンズが持つ基本特性に変化はないのか?これらの疑問はつきまとう。

巨大掲示板にもスレッドはできていて、それを見ると、預けた後の結果は必ずしもパーフェクトではなく、打率○○割だ、みたいな書き込みもあった。

実際の所はどうなのだろう・・・素朴な疑問である。

ということで、手持ちの曇りの入ったオールドレンズ(ズミクロン50mm)を預けてみることにした。預ける前後でM9にて等倍視で画質をチェックした。

結論から言えば、

1.レンズの曇り

嘘のようにきれいになる。ガラス玉は非常に美しくなり、新品時の輝きを取り戻すと思う。再コートも深い藍色で実にきれいによみがえる感じ。預ける前は曇りの影響で開放はもちろん少し絞った程度でも靄がかかるような描写だったが、これはすっかりクリアになった。色の抜けもアップした。しかし、レンズ本来の持つ特性である、開放でのソフト描写、輝度の高い部分のまわりにでるフレアなど、レンズの光学設計から来る特性はそのまま維持されるのでご安心を。

2.ピント位置

預ける前と後で、レンズのピント位置(前ピンとか後ピンとか)は変化しない。

3.レンズの画質

預ける前と後で、周辺の像質やボケの感じなども変化しない。

4.絞りその他のメカ作動

預ける前と後で変化はなし。山崎さんは自らはレンズ屋だから、鏡胴まわりの修理などはできないとはっきりおっしゃってるので、逆にそういう部分の修理は期待できないと思う。

ということで、M9での等倍視にも耐えられるレベルの仕上がりは可能!!

ただし、

ここからが大事なのですが

上記のレンズ本来の特性を維持しながら曇りだけ除去するという状態を得るまでに、実は数回レンズを行ったり来たりさせてます。山崎さんも、お年のせいかもしれませんが、一度で希望の状態が得られると思わない方がよいかもしれません。

私の場合、まず初回の再コートにはムラがあり、曇りが完全にとれてませんでした。これは再々コートで綺麗になりました。

また、ピント位置がほぼジャストだったのが、出すたびに前ピンになったり後ピンになったりしました。山崎さんはM3にレンズをつけてフィルムで実写して判断されているようなので、一発では精度は期待できないかもしれません。ですが、仕上がりを見て、自分のボディでの傾向を伝えると、修正はしてくれます。不満があるなら根気よくやりとりすべきでしょう。

周辺像質も、行きつ戻りつしているうちに周辺が片ボケしたり流れたりするようになり、これも指摘すると直りました。やはり実写での確認で直されるようです。レンズ間隔を決めているリングなどは削りだしで自作されて現物合わせされるとのことなので、こちらも不満があれば根気よく申告した方がいいと思います。

山崎さんは基本的にはプライドの高い「エンジニア」という感じの人です。不満を申し立てるために電話などしても、最初のうちは露骨に嫌な感じの態度をとられることがままあります。しかし、不満に対しては決して放置せず必ず対処してくれます。とにかく不満があるなら送り返すこと。そしてこういう事を重ねるうちに、普通に話せるようになってきます。

レンズがもともと持つ特性を壊さずにコートを修理することができる能力を持つ人ですが、レンズを受け取ったときや修理完で納品する際に、実写で確認したり、諸特性を検査したりはされないと思います。たとえばピント位置を指摘したときはそこだけは実写で確認してくれるけど、周辺像質まではチェックしないとか。。ですから、ピント位置がずれた、とか、周辺像質が変わった、などはこちらから申告しないと直してはもらえません。どこかが直っても他が変になったりすることもままあります。ですから、これらを根気よくつぶすように接すれば、ほぼ完璧な修理状態を得ることができると思います。

特に、M9などのデジタルボディをもっていると、画質の検査は容易なので、こちらサイドで品質管理するようなスタンスで臨めばよいのではないかと思います。こちらからの申告には真摯に対応してもらえます。とにかく納得いくまでやりとりを続けることで、打率を10割に近づけることができると思います。

同じようにライカの修理を扱う別の工房に山崎さんのことを聞くと、場合によっては、(ライカという)文化財の破壊行為だ、なんてことを平気で言う人もいますが、ボクはそんなことは決してないと思いますね。古車のレストアや名画の修復に相通じる行為だと思います。批判する人は、納得いくまでコミュニケーションできなかったからではないかと思ったりします。尤も山崎さんにも、修理に関して品質管理的な視点が欠けるのと、なんというか作業に雑なところがあるので、致し方ないかもしれません。でもやっぱり貴重だと思いますね。まさかの時の駆け込み寺。なくなったら困ります!

山崎さんのところでは、これまでのM3での実写確認に加えて、マイクロフォーサーズのデジカメ(パナソニックのGF1)を導入されたようで、今後はこちらでも並行して確認されるとのことです。

L1001026_1

↑再コート前(F2)

L1001702_1

↑再コート後(F2)

再コート前後で、コントラストがアップし、色の抜けがよくなりました。特に赤色などは顕著な感じです。うちでは専用のPCモニターで見てますが、ノートPCの方で見るとわかりにくいので、良い環境での比較が必要です。

0l1001027_2

↑再コート前(F2)

6l1001703_2

↑再コート後(F2)

チャートの画像を分析すると、再コート前後で、白を同じ値に露出調整したときの黒の値がRGB値で10程度下がっています。これはクモリによるフレアが無くなったことで、コントラストがアップしたということです。これに限らずいろいろな写真でコントラストアップは体感できます。

Img_0287s

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コメント

興味深い話ですね。これは、Summiluxと比較する前の話ですか?後の話ですか?

後ですね。

ただ解像度とかは全く変わらないので、ASPHと比較したときの印象はほとんど前といっしょです。クモリを除去するとコントラストはかなりアップするけど、ASPHのレベルには遠く及びません。

レンズがすっきりしたところで、SOMKYを使った作例もよろしくお願いします。

newF-1 の検索から来ました
必要とする技術かとおもいます。
レンズは確かにきれいになりましたが、研磨後のピント位置の感じは、おっしゃるとおりじゃないでしょうか、。
研磨後のピントに関して調整を頼みたかったのですが、必要ないように言われてしまいました。
気になる自分は、ピントの位置出しを他社に相談して、レンズ内部のシムを入れ替えて位置出しをしてもらいました。結構大変でした、この時3回ぐらいやり取りしましたし、同型レンズを1ヶ潰しました。
ブログを読んで研磨後に食い下がれば良かったのかなと思いました。しかしながら研磨してもらってよかったと思っています。

MoBlueさん、こんにちは。
やはり苦労されましたか。。。私も、最初は調整必要ないように言われました。山崎さんは、苦情を言うと最初高圧的な感じで返答されるので、レンズに詳しくない方だとそこでひるんでしまうことも多いと思います。私の場合は、ちょっとこの方面明るいもので、筋道立ててお願いしました。何度かやりとりしたおかげで最後は普通に話を聞いてくれるようになりましたが、満足行く結果が得られたときに、こんなにうるさいお客さんは初めてだ、と言われました。ちゃんと筋道立てて不満点を説明できれば、それを改善する技術はお持ちと思います。
山崎さんは、レンズの外観やヘリコイドの感触調整なんかはやられず、ご自分はレンズ屋であると言い切られています。ですからあるとき私は、山崎さん、レンズ屋さんですよね?レンズの状況に不満があるから文句を言っているのに対応しないのはおかしいじゃないですか、って怒りました。こっちが怒り出すとちゃんと話を聞いてくれはじめます。
なんだかんだ言っても、研磨とコートに関してああいった対応してくれるのは山崎さんのところだけなので、非常に貴重な存在だと思います。私の場合も、何度やり直してもらっても費用は2万円だけだったので、技術には真摯で良心的と言えると思います。
ただ巨大掲示板なんかで山崎さんを神格的に崇拝する人たちが居らっしゃいますが、あれはまずいと思いますね。山崎さんにやってもらったものに間違いがあるわけないとか、山崎さんにやってもらったからそれだけで満足、とか思わない方がいいと思います。

今日は、率直にお尋ねしたいのですが。現在 ズミクロン50mm沈堂式を使っています。
しかし 外球に擦り傷が多く若干ボケます?その他カビ、ホコリは見当たりません(主観です)。
状態に拠ると思いますが、研磨費用は概算で 如何ほどになりますか?
不躾な質問 申し訳ありません。三股

ミツマタさま
山崎さんに相談するのが一番ですが、値段は私が修理に出したときはとにかく一律2万円でした。傷もあまり深いと、全部は消せないよ、と言われるだけと思います。古いコートをはがすためにうっすら研磨する程度で、光学特性が変わるほど削りはしません。だからいいんですけどね。
私の印象では、このレンズ、とにかく曇りが多いと思います。傷をきれいにしてコートし直したら次は曇りが見えてきて気になるかもしれませんが、それ含めても2万円だと思います。とにかくあきらめず不満が無くなるまでちゃんと話のやりとりをすることです。ちゃんと最後まで話を聞いてくれますよ。
それと出す前にいろいろ写真をとって、隅々までどの程度の解像度が出ているかは押さえておいた方がいいです。

現在山崎さんはオートコリメーターで(昨年半ばから)作業前と後の確認をしているので、距離計カメラで使用するのかデジタルミラーレスカメラ使用か相談すると対応してくれるはずです、

依頼時にコリメーター覗かしてもらうのも良いのかもしれません。

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